本日のメインディッシュ

色んなショウ売
あちこち春らしく、新しいスーツに身を包んだ新入社員や新一年生が目立ちますが、街を歩いていると、新しく路上パフォーマンスを商売として行おうとしている方々もみかけます。音楽や占い、小物店から大道芸人。色んなテクニックを武器にこの時代を生き抜いてやろうとそれぞれが頑張っているわけです。



そんな中、chikiが見かけた中でも、ひときわ変わっているなと思った商売を紹介します。








殴られ屋
説明するまでもなく有名な商売ですが、やっぱりレアな商売です。テレビでみたことはあったのですが、生でみると迫力満点。元ボクサーだけになかなかパンチがあたらないみたいで、見ているだけで手に汗を握ります。



ギャラリーが一生懸命見つめてい中、参加者は一生懸命「殴られ屋」を殴ろうとします。chikiが見たときは「ぢぎじょうっ! ごんちぎじょうっ!」と半分泣きそうになりながら日常の鬱憤を晴らしている若いサラリーマンが闘っていました。が、頑張れ! 全然あたらなそうだけど、頑張れ! そして明日からも頑張れ!



都会の真ん中で繰り広げられるプチ格闘劇。古典的な「殴り合い」ではありますが、誰もが鬱屈した日常のストレスをぶつける場所を探している。人はこういう商売を求めているのかもしれません。ああ、なんと現代的なことでしょう。








土下座屋
「土下座屋―なんでも謝ります」という看板と共に、一人の男性が茣蓙を敷いて坐っています。その前で絶叫する一人の中年サラリーマン。はて…?


「なんで俺だけリストラされなきゃいけないんだ!」
「どいつもこいつも俺を舐めやがって!」
「小遣いも少ないんだ!謝れ!」
「死にたいよ!死にたいよ!」


男性は目を潤ませ、申し訳なさそうに何度も何度も頭を地面に擦り付ける。「すみませんでしたぁ!」「おっしゃるとおりですぅ!」「私の責任ですぅ!」



これが「土下座屋」の正体です。うーん、chikiも色々絶叫してみたい。



鬱憤をぶつけることも出来ない閉塞感漂う現代社会。怒りの「原因」の不在の中、人はこういう商売を求めているのかもしれません。ああ、なんと現代的なことでしょう。






なんで屋
「あなたの疑問、なんでも答えます」という看板と共に、数人の男性が坐っている。たたずまいや風貌から、どこかの教授や学生のフィールドワークだろうか。その前にちょこんと用意された椅子に坐る女性。真剣に男性の話に耳を傾けている。―どうやら、答えに満足したようで、「納得料」を払って満足気に帰っていきました。


chikiは何度もこの商売を見かけていますが、その前を通るたびに思うことがあります。というより、chikiの友人は皆同じ事を考えていたみたいです。



















「論破したい」














いつか実行してやろう。いつか論破してやる。すごくコアな事を聞いてやる。そう心に決めていたところ、どうやら友人が先に論破してしまったようで。議題はイラク問題だとか。うーん、一足遅かったか。あれ? 商売の目的が変わっているゾ!!



情報化社会と呼ばれる中、それぞれが「答え」を見失ってしまった。それでも「知りたい、分かりたい」という欲求は留まることを知らない。人はこういう商売を求めているのかもしれません。ああ、なんと現代的なことでしょう。





萌え屋
「あなたを萌えキャラに変身させます」という看板と共に画を描くための道具が並べられています。ああなるほど、似顔絵を萌えキャラ風に描いてくれるのかぁ…って、客が全然いないゾ!!



ディスプレイとして表示された画にはみたこともない、しかしどこかで見たことがあるような萌えキャラがずらり。「猫耳、鈴、包帯などなど、オプション自由に付けられます」うーん、描かれたい。描かれたいが目立ちたくない。



一度しかお目にかかったことのない萌え屋。やっぱり萌えたい、萌えつくしたい! 自分も萌えキャラになってみたい! …人はこういう商売を求めているのかもしれません。ああ、なんと現代的なことでしょう。









…現代的すぎるって。