嗚呼、拉麺の夏。
夏になると、数年前に流行らないラーメン屋でバイトしていたときのことを思い出すchikiです。そのラーメン屋は、あまりに客が来ないので、chikiがバイト先にいくと最初に
chiki「今日はどうですか?」
店長「ない。」
などというすばらしい会話を行います。「ない」と言われたらつまり仕事がないということ。閑古鳥が鳴きまくっています。そのまま帰るのもあれなので、店長にラーメンの作り方を教わったり、あまったデザートをたらふく食べて帰ったりしておりました。あるときは杏仁豆腐を30個以上食べて帰ったことも。甘党のchikiには実に至福の時でした。(゜д゜)ウマー
そんなある日。
店長「暇だなぁ」
chiki「暇ですね…」
店長「うーん、よし。俺、パチンコ行って来るわ。どうせ暇だし。1時間で戻ってくる!」
chiki「えー!? でもー、お客さん来るかもしれないですよー?」
店長「大丈夫、絶対来ないから!」
chiki「それもそうですね♪ では、行ってらっしゃい!」
飲食店としては致命的な会話なのですが、意気揚々と出かけていく店長。で、ここぞとばかりに杏仁豆腐をほうばるchiki。携帯アプリのゲームに興じるもう一人のバイト(♀)。ゆっくりと時間が流れていきます。
そこに、ワゴン車2台が到着しました。嫌な予感。
ぞろぞろ降りてくる大勢のガテン系の方々。
客がキタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ッ!!
ってか、何故こんなタイミングでくるのさ! つ、作るの? chikiが作るの? で、そんなもので金を取っていいの? chiki、ど素人ですやん! そんなの食べて、客が死んでも責任とれません。
で、飛び交う注文。
帰ってこない店長。
もう一人のバイトはホールとして雇われた人なので(chikiもそうなんだけど)、ラーメンなど作れるはずもありません。てか、動こうともしません。アプリとかやってる場合じゃないって。てか、ジュース飲んでる場合じゃないって。その杏仁豆腐、chikiのだって、あああああああ(パニック)。
…しょうがない。
…こうなったら殺るヤルしかない。
ラーメンの作り方だけは、知識レベルで既に教わっています。ええ、実際に作ったことがなくとも、見よう見まねでなんとかしてやります! そして、断固責任は取らない! 決意は固まりました。
じゅー、ぼっ、とんとんとん、がしゃ、がっしゃーん、どがどが、めきっ、ざっざっざ、ぼー、びしゃっ、びしゃっ…
chiki「特性げんこつラーメン5人前に醤油2、わんたん1、冷麺2、ねぎ2、餃子10人前、ビール10お待たせしました〜」(ここで再現している注文はめっちゃ適当です)
「おお、来た来た。旨そうやのう!」
「そうじゃのう!」
「じゃ、食べるかかいのう!」
ずるずる、ずるるる、むしゃむしゃ、ずるるるるる…。
「旨い!」
「おお、旨いのぅ!」
「やっぱ、ラーメンにして正解じゃのぅ!」
「生き返るわい!」
訳の分からない食べ物にご機嫌で1万円近く払って帰っていくおじさま達。久しぶりの客を相手に働き、しかも適当に作ったラーメンに1万円近く払っていただき、呆然とするchiki。「生き返る」のは多分間違いで、あとで死ぬんじゃないだろうかなどとビクビク。
で、店長ご帰還です。口笛なんて吹いています。なんか景品持ってます。ぶん殴りたいです。
店長「あれ、客来たの?」
chiki「来ましたよー。もう、大変だったんですから」
店長「あ、そう。じゃ、次から俺いなくても平気だね! またパチンコ行こうかなぁあっはっはっはhh」
chiki「短い間ですが、今までお世話になりました」
…こうしてchikiの味王への道は幕を閉じました。
※3日前、車でその店の前を通ったら、案の定つぶれてました。やっぱりネ(・∀・)!!