これはさすがにたまげる。

id:kemu-riさんの「事件をダシにして「男女混合名簿反対」を主張する政治家」というエントリーで知ったのですが、群馬県伊勢崎市議会議員である、伊藤純子さんという方の「「男女混合名簿」が引き起こすモノ」というエントリーはさすがに椅子から転げ落ちました。性犯罪被害者のガードの甘さの方が問題だとする論調は俗耳に入りやすい放談ですが、ここまで論理の飛躍した発言も珍しい。


(こうした事件の背景には)「男と女は平等だ」だとか、思春期に男子との接触が近くなりすぎて、男女間の意識が希薄し、何のためらいも、恥ずかしさも感じない男児・女児が増えているからではないでしょうか?!
したがって「ジェンダー教育こそ、性犯罪の起因となるもの」と定義します。恥ずかしながら、伊勢崎市が全国第7番目に施行したと豪語する「男女混合名簿」なんてものは、青少年の心を乱すとんでもない代物であります。もう、見過ごすわけにはいきません!
現在、伊勢崎市が施行しているこの「男女混合名簿」に反対していただけますよう、どうか全国の良識あるみなさまからの「非難の声」をお寄せください。

事件の背景に男女平等意識があるという、因果関係がさっぱり不明確な、そしておそらくは計測不可能な憶測の文章を披露した後、「したがって『ジェンダー教育*1こそ、性犯罪の起因となるもの』」と断定。しかも名簿が一緒だというだけで青少年の心は乱れるとおっしゃる。さらには、タイトルのつけ方から、紹介されているような犯罪事件も「「男女混合名簿」が引き起こすモノ」という位置づけらしい。で、最後に突如として紹介される『男女平等バカ』。なんじゃこりゃ。妄想に近い憶測に「したがって」とか文章をつなげ、それを根拠に政治アクションを促す人が市議だという現状の方がバカみたいだと思う。


ちなみに、男女名簿は1985年の時点で既にインドと日本しか用いていなかったらしいのだけれど、ということは世界中の青少年の心は乱れまくりであります。地球あやうし! 


これまでトンデモ言説のサンプルには数多く触れてきたので、そろそろ慣れてきたと思っていたのですが、認識が甘かったようです。世界は広い。

*1:ジェンダーフリー教育」ではないらしい。