ステレオタイプを演じてバッシングを盛り上げる仮面ブロガー?

…てな見出しをとりあえずつけてみましたが、「ストックキャラクター型ブロガー」(類型的な特徴を持つ虚構上の人格を演じるブロガー)とどっちがいいかなーとさっそく悩んでいます。どうしたものか。「ストックキャラクター型ブロガー」だと、本人に自覚がなくてガチでそういう人というケースも含めて呼称できそうだけど、「仮面ブロガー」だと、敵対勢力や嘲笑の対象を貶めるためにわざと演じているというニュアンスが強くでるような気がする。


って、いきなり何のことかと思われたかもしれませんが、ウェブ上でその象徴価値を貶めたい対象がいた場合、その対象をあえて攻撃されやすいような形で自分が演じることで、対象の評判を下げるという試みをしているブログらしきものをいくつか見つけたのでして。しかもその手のブログは、推理はできても確定するのは難しい。そういえば匿名掲示板でわざと「いかにも」な書き込みをして対象の評判を下げようと画策するような営みはたまに見かけるのですが、ブログではまだそんなに見てなかったっけ。


そのブログのひとつめは、先日コメント欄に現れたこの方はてなブックマークでの反応には「ネタか電波かわかりにくい」とありますが、chiki には、ネタ的に演じようとして失敗した例に見えます。リベラルやフェミ的なことを極端化して言及することであてこするというか、ソーカルごっこみたいなことをしたい方なのかなと。ブログ自体はあまり影響がなさそうなのでスルーしてもいいんですが、以前から例えばから「恐妻家の献立表」さんや「ONO-Masa Home Page (はてな出張所)」さんなどのコメント欄ほか様々なブログ(参考)で、わざと極左的・極フェミ的な発言をすることでエントリーに意味の方向付けを行おうとしていているようにみえ、さらには結構な人がマジレスしているのが気になった。


まあこれは前菜みたいなもので、本題はふたつめのブログ。「元祖フェミニズム」魚拓)というブログなんですが、「フェミニズム」を名乗っているけれどもどうみてもまともなフェミニストには見えず、フェミニストを知らない人が「いかにもフェミニストが言いそうなこと」を作り上げようとしているようにしか見えない。最初のエントリーからしておかしいし。


既にブックマークで多くの方に突っ込まれている通り、このブログは半年前に「フェミニズムの王道」(当時のブックマーク)というブログを作って数日で削除した方と同一人物の可能性が極めて高いです。「フェミニズムの王道」はあまりに怪しいサイトだったから、 chiki はこんなこともあろうかと思ってローカルフォルダに保存していました。というわけで資料用に「フェミニズムの王道のミラー」をアップしてみましたが(スタイルシートは面倒なのでアップせず)、ミラーと「ネット右翼さんが実は一番の国賊さん♪」とか「ネットウヨクの一生」とかのエントリーを見比べれば、その類似性がよく分かると思う。例えばはてな id のセンス、例えば独特の改行のリズム、例えば「<いかにもなネットウヨク>をバッシングするといういかにもなフェミニスト像」というキャラクター、例えば「きんもーっ☆」という表現が今更使われることなどなど、論調や文体等が非常に酷似しています。これは本人確率99%くらいでいいと思う。


フェミニズムの王道」というブログは、トラバ先の魚拓その1その2をみてもらえば分かるけど、まったく関係のない保守系・反フェミ系のエントリーにトラバを送ったりしていて、どうも自分のエントリーに対して突っ込ませたがっているように見える。「元祖」も、2ちゃんねるスレなどで既に話題になっていますが(その1その2)、本気で突っ込んでいる人もいるんじゃないかと思ってしまうカキコもところどころにある。


前回と違う点は、「フェミニズムの王道」ではコメント欄があって、「演じているんじゃないの」みたいなコメントがされていたりしたわけですが、今回はその反省をいかしてか、ウェブ上で言説の相対化を行えるようなコメント欄やトラックバックはてブボタンなどははずしているみたいです。相対化や判断の留保を促すことも出来なければ、メール連絡先もないので本人に直接尋ねることも出来ない。


で、3つめのブログなんですが、こちらは反日的な韓国人というキャラの「エイッ! かんしゃく爆発 -izanami」というブログです。こっちは「イザ!」でナンバー1のアクセス数で、結構有名みたいなんですが、はてなブックマークの反応を見ての通り、どうも釣りに見えてならない。


それにしてもこの二つのブログ、あまりに似すぎるのが気になります。過剰なほどステレオタイプなキャラ付けをし(そのくせ、主張に一貫性がない)、わざわざ自分の属性を明示したうえでその属性を理由に俗情的な帰結を提示するというパターンを選ぶというだけでなく、2006年7月〜8月に開始され、コメント欄もトラックバック欄もなく、プロフ欄のわざわざ目立つところで教師であると自己紹介し、センテンスごとに一段落空けをするという独特の文体。単なる偶然かなぁ。


今のところこれらは単なる疑問にすぎず、これらが「仮面ブロガー」なのか、単にリアルでどうしようもない人なのかは確定はできないけど、それを抜きにしても実際問題としてかように議論をかく乱させる以上の効果を持たないようなこれらのブログはどうかなと思う。マジレスっぽいことをしてもしょうがないかもしれないけど、かといってガチに受け止めている人がいるのを放置するのもどうかと思うので触れてみた。


実は chiki は、この手のブログの影響力は今のところあまり心配していないんですが、もしこういうのをネタに、ステレオタイプをみたててバッシングを煽るような行為が行われるんだったら、それは見ていて気持ちいいものではない。それにしても、これから「仮面ブロガー」みたいなのも疑わないといけないのかなぁ。