本日のメインディッシュ

早稲田文学 2004.5』―未読
chikiが以前レポートした、柄谷行人氏の特別講義「近代文学の終焉」。その時の講義の内容をさらに分かりやすく、さらに深く書き改めた「近代文学の終わり」が見逃せません(実はこのレポートはchikiが書いたものの中で最も古いもの、文章が下手糞ですみません…)。



柄谷氏は特別講義の際、近代を3つの段階に分類し、さらにプレモダンとポストモダンとを加えた5分割の図表を配布しました。今回の論文には、そのとき配布された図表に記されていたものからいくつもの項目が大幅に削られ、主にグローバリゼーション、「世界」の枠組みに関する部分のみを掲載しております。そのことからも分かるように、近代文学をネイションステートを巡る言説としてとらえ、新たな視点から「世界」に眼差し向けるための視座を探ろうとしています。文学だけではなく、現代という時代への視座に対して興味のある方は必読。



また、大塚英志氏「更新期の文学」も(多分)お勧め。始まりたての連載で、出版されたての『サブカルチャー文学論』『おたくの精神史』とはまた一味違った視点から「文学」への眼差しを向けている(と思います)。



そして、最もタイムリーなのが「ブンガクシャは派兵と改憲についてどう考えるのか」と題したアンケート企画。蓮實重彦鎌田哲哉村上春樹鶴見俊輔いとうせいこう阿刀田高渡部直己大塚英志大澤真幸すが秀実…この素晴らしき面子に自衛隊の派兵と憲法改正問題についてアンケートをとっています。イラク関連の議論がふたたび行われる際にはchikiも引用しちゃったりするかも。皆さんもチェックしてみてください。




そういえば『早稲田文学』は公式HPを持っていますね。折角だから、今回の事件への早急なリファーとか欲しかったな…と思うのは勝手な願いですよね。はい、すみません。





『entaxi vol.5』―未読
この雑誌に掲載される漫画はなぜかくもつまらないのだろうかという疑問はともかく、chikiが今号の目玉と睨んでいるのが、すが秀実さんによる新連載「タイムスリップの断崖で」です。3月に下北沢で一緒にお酒を呑んだとき、すがさんは簡単にその内容を語ってくれたのですが、その内容のアクロバットさと面白さに、大学院で大西巨人論をやっている友人と狂喜乱舞するどころか畏怖すら覚えてしまいました。的を絞った鮮やかな指摘により、大西巨人像がかくも反転させられるとは! ちなみにその友人とは、その後自棄酒を飲みました。うぃーっ。



また、福田和也磯崎新浅田彰の3名が史的名所を巡る旅を行い、三者三様の文章にまとめるという試み「春、炎える安土桃山、沈める琵琶湖、複雑怪奇の三人ツアー」が非常に面白い(だろう)。この三人、各々接点は確かにある。しかし何故この三人なんだろう。旅中の会話とかを色々想像すると、笑いがこみ上げてきます。そういう楽しみ方もアリかも!




それにしてもあの漫画はつまらない。朝日新聞夕刊の4コマ漫画並です。




新現実 vol.3』―未読
まずは一言だけ言わせて欲しい。












「めちゃくちゃ恥をかいたぞおぉぉぉぉ!!」













(理由→「クリック!」)







この本を手にレジに向かうとき、カップルに笑われました。


レジのお兄さん、お姉さんにも笑われました。


並んでいるご老人に睨まれました。


雑誌なのに「カバーをおかけしますか?」と気を使われました。









読む前に疲れたよ…。



_| ̄|○






内容紹介? えーと、執筆陣が豪華なんだって。中上健次の未発表長編が読めるんだって。宮台真司大塚英志が「戦時下」を語るんだって。香山リカも語るんだって。もー、それだけで十分でしょ! 要はこの外見よ、外見!



皆様にアドバイスです。立ち読みは出来ないだろうから、そそくさと買って、逃げるように帰って、家族に見付からないところで読んでください。chikiは先ほど、母に見付かりました。死にたい…。




ちなみに、雑誌といえば、今月号の『新潮』にて、すがさんが大塚英志サブカルチャー文学史』に触れています。そちらも是非。既に読んだ友人によれば、ポストモダン戦後民主主義を語る上でははずせない一品だとか。是非!!






さぁて、それでは読んでみるぞー。