『社会的な身体』(講談社現代新書)が発売します

1年ぶりに単著が出ます、という告知。タイトルは「しゃかいてきなからだ」と読みます。


社会的な身体~振る舞い・運動・お笑い・ゲーム (講談社現代新書)

社会的な身体~振る舞い・運動・お笑い・ゲーム (講談社現代新書)

――激変するメディアは私たちの「身体」をどう作り替えてきたのか?
ケータイを巡る「不安」、メディアバッシングを生みだすものの正体、マスコミとインターネットの「共存関係」、時代とともに変化する「お笑い」と一発芸人の「意義」、可視化されたポスト社会運動、メディアを身体化する快楽……。メディア環境の激変は、私たちの日常の「振る舞い」をどのように作り替えつつあるのか?気鋭の批評家が2000年代の日本社会を描く画期的評論!

第1章 有害メディア論の歴史と社会的身体の構築
第2章 社会的身体の現在――大きなメディアと小さなメディア
ノート 「情報思想」の更新のために
第3章 お笑い文化と「振る舞いモデル」
第4章 ゲーム性と身体化の快楽


今回の本のテーマは、ざっくりといえば「メディア評論」です。メディアの内容(コンテンツ)ではなく、メディアの利用のされ方の変化、あるいはメディアに対する意味づけの変化に目を向けながら、社会現象を考察するための概念を模索する一冊、というとこになるでしょうか。今までは特定の社会問題化された対象についてガッチリ書くという文章が多かったのですが、今回はなかなか不思議な、妙なパッションに突き動かされた一冊になりました。1フレーズでも、誰かが腑に落ちるようなフレーズを見つけていただけたなら成功かなと思っています。


ところで講談社現代新書といえば、表紙のセンターに四角が描かれている装丁が定番なわけですが、今回はお願いしてこちらからデザインを提案させていただきました。真ん中に「i」のようなマークが浮かび上がっているわけですが、なんでこういうデザインにしたかといえば、本書のタイトルが「社会的な身体」というものであり、「身体の範囲は環境によって規定されている」という内容を伝えられるものにしたいなということがひとつめの理由。それから、本書ではケータイやパソコンが浸透した社会について中心的に触れているため、アルファベットの「i」という文字にゆかりが深いものだからというのがふたつめの理由です。要するにこの「i」のマークは、社会に形作られた身体の形であると同時に、環境とともに変容する「主体=i」の意味でもあり、iモードのマークでもあり、インターネットのiでもあり、ケータイの電波マークでもある、と。ああ、すばらしく中二病的(笑)。


17、18日くらいには書店に並ぶ予定なので、ぜひぜひ手にとってください。今月はもう一冊、編集した本が発売されるんだけど、その告知はまた別に。