「αシノドス vol.3」配信

こんにちわ、chikiです。本日配信となる「αシノドス」の内容はこちら。

【1】巻頭コラム / 芹沢一也
 「『幸福の神議論』をめぐる二重の困難」
【2】座談会 / 橋本努×芹沢一也×一般参加者
 「ネオリベラリズムとは何か 前編」
【3】特別インタビュー / 大谷能生
 「学問・批評・感性―大谷能生フランス革命」(聞き手:荻上チキ)
【4】特別寄稿 / 西田亮介
 「湘南と創発型地域活性インフラ ―ボトムアップによる地域活性の可能性」
【5】特別掲載 / 小山エミ
 「「ネオコン左派」に転じる世俗的ヒューマニズムと「新しい無神論者」」
【6】編集後記&次号予告


今回も濃いですよー。以下、編集後記を抜粋。

さて、今号はくしくも「神と貨幣」をめぐる論考が多く並びました。「神と貨幣」の関係については、アダム・スミスからライムスターまで(笑)重要なテーマではありますが、まず橋本さんのセミナーは、ネオリベラリズムの思想の根幹と批判の骨子をまとめたうえで、「神義論」の現在について検討するという刺激的なもの。経済行動にいかなる共同性や動機が必要となるか、それをいかにして調達するかは本質的なテーマですが、橋本さんのセミナーの前半部分を聞きながら思ったのは、なぜ経済思想が動機調達について思考しなくてはならないのか、その思考法に問題は生じないのか、という疑問。この疑問については実は、セミナー後半部分で議論になっていきますので、どうぞお楽しみに。

今号は、1号に続き、小山エミさんに論考をお寄せいただきました。前回寄稿していただいた論考は、小山さんのブログでも紹介され、たちまち大きな反響を呼びました。今号はそれの続編にあたります。橋本さんのセミナー、小山さんの論考、芹沢さんのコラムを合わせて読むと、人はいかに複雑に「合理化の症例」を抱えているのかがよく分かります。「端的な不幸」を社会が全てすくいとることは不可能。全ての傷を癒すことは出来ないが、それをリスクやアーキテクチャの問題が「重ね描き」されることにより、さらなる問題を生んでいくという構図を「打ち止め」にすることは難しいのかもしれません。

大谷能生さんのインタビューと西田亮介さんの論考は、今号ではやや異色の内容になっています。大谷さんからは批評と表現とのスリリングな遭遇について伺い、西田さんには湘南のビーチマネーの事例紹介を元に、自生的な地域通貨のあり方について吟味していただきました。ここ数十年の思想的トレンドでは、様々な「都市」「方法論」に焦点をあてることによって、濃密化の一方である種の狭い前提を頼りに構築される言説も少なくなかったわけですが、今後、様々な地域や表現の試みを紹介しつつ、既存の思考の枠組みを問い直しつつも積極的なアプローチを展開していくようなケースが露出してくることに期待させられます。その意味で、今号に合わせて掲載できたことは意義深いことではないでしょうか…と自画自賛してみるスレ。


というわけで、読もう!「αシノドス」!