巨人、健在。
いきなりクイズ。以下の作品に共通するのは一体なんでしょう?
・是枝裕和『DISTANCE/ディスタンス』
・森達也『A』『A2』
・村上春樹『アンダーグラウンド』
・大江健三郎『燃えあがる緑の木』三部作及び『宙返り』
分かりましたか?
答えはもちろん、新新興宗教「オウム真理教」(現アーレフ)を題材にした作品であるということ。SFやミステリー系小説、演劇にも、同団体の存在に影響を与えられた作品は多くあります。地下鉄サリン事件など、現代社会を震撼させた事件を多く起こした同団体は、才能ある作家の創作欲を大いに刺激しました。
そしてこの度、名著『神聖喜劇』、本格ミステリー『深淵』『三位一体の神話』他、既に多くの大作を著しているのみならず、エッセイ「俗情との結託」などに顕著な鋭い批評眼を常に向けている現代最大の作家、大西巨人氏が同テーマを扱うことが明らかになりました。
金城鉄壁かつアクチュアルな批評精神にを持ち、「500年くらいの単位(※「大西巨人さん9年ぶり長編「深淵」」参照)」という広いパースペクティブを持ちながら執筆活動を続ける(ウルトラスローモーな?)大西氏が、オウムに関する作品を書くつもりだというニュースは、以前から少しずつ洩らされていました。そしていよいよ、自サイト巨人館にて、連載を開始するようです。
その名も…
『縮図・インコ道理教』
爆笑。
これほどインパクトのあるタイトルが他にあるとでも! タイトルだけで、もはや他の作品を凌駕していると言っても過言ではありません。このお腹の痛さがそれを証明しています。現代日本NO.1の文学者が「インコ道理教」ですよ。「インコ」って。「インコ道理教」って。そのユーモアセンスがたまらない。なぜよりによってインコなのだと問いたい。「インコ道理教」と口に出すと、口元が綻びずにはいられないではないか。
「インコ道理教」
「インコ道理教」
「インコ道理教」
もうだめ。大西さん、心底惚れました。一生ついていきます。
…とまぁ、ここまで冗談めかして触れてしまいましたが、真面目な話、内容といいテーマといい、そして大西さんの老練ぶりからも(それからタイトルといい…)、『深淵』と並び、「chikiの今年の収穫ベスト3」に入ること間違いなしでしょう。chikiは、連載を心から楽しみにしております。皆さんも連載が開始するのを心待ちにしてくださいね。
※2ちゃんの大西スレでも話題。
※今日のエントリーが少しでも面白いと思ったら、読め。