本日のメインディッシュ

chikiの肉体労働体験(完全に実話)
chikiが学生の頃、派遣のイベントスタッフに登録していたことがあります。音楽が好きだったので、ライブやコンサートの会場スタッフなら楽しめるかな、と気楽な感じで登録したのです。



ところが、あの手のバイトを経験したことのある方、もしくは何かしらコンサートやライブに足を運んだことがある方はご存知だと思いますが、派遣イベントスタッフのバイトは地獄のような労働条件です。朝からステージや会場のセット、ライブ中は客の誘導からカメラチェック、ボディチェック、モギリ、ライブ後は撤収作業と何時間も休むまもなく働かされます。大抵のお客さんはスタッフのことを「便利屋」もしくは「邪魔者」扱いですし、バイトを指示する社員の方はほとんどヤクザのような風貌と態度。上司からも客からも怒号が飛び交い、体力も精神もボロボロ、あちこちでクズ扱いされ手元に残るのは雀の涙ほどのお金、男女関係なくこき使われて終わるという過酷なものなのです(chikiが登録していたところだけかもしれません)。




で、中でも大変だった仕事が、当時人気最高潮だった某人気アイドルグループ(メンバーがやたら増えたり減ったりするあのあれ)のコンサートの仕事でした。




スタッフとして派遣されると、最初はその人が何をするか、分担するところから始まります。会場設備は重労働、モギリやカメチェは当たりくじ、というように、皆ドキドキの瞬間です。






ただし、その日は違いました。













上司「えー。仕事を分担する前に、言っておかなくてはならないことがある」

















バイト数百人「…」
































上司「えー。本日、この会場に爆破予告が入りました







































バイト数百人「Σ(゜Д゜;Σ(゜Д゜;Σ(゜Д゜;えーーーーーーーっ!!」










































まさに寝耳に水。早朝の眠い目をたたき起こされるには十分インパクトのある台詞でした。冗談では済まされません。



バイト数百人の顔に一斉に緊張が走ります。警官もかなりの人数が配備されている様子。マジです。




chikiは、「となるとあれかな? 爆弾処理班とかが捜査するまで、早めに来ている客とかを誘導しろとかかな? それとも中止かな?」などと、色々な想像をめぐらしていました。

















ところが、上司の口から冗談のような台詞が…。



























上司「えー。というわけで、ここにお集まりの皆さんには…










































爆弾探しをしてもらいます!!












































バイト数百人「Σ(゜Д゜;Σ(゜Д゜;Σ(゜Д゜;な、なんだってーーーーーーーっ!!?」



















大変です。上司の人も警察の人も、目が本気です。chikiはちょうどその時期公開されていた『バトルロワイヤル』を思い出しました。











すると、バイトの中の一人が、上司に次のように質問をしました。

















「あのー、それで、もし見付かったらどうすればいいんでしょうか…」







そう、誰もが気になっていることです。chikiを含め、ここにいる全員爆弾処理など経験があるはずもありません。





すると、上司は次のように答えました。

















































「報告してください」













































バイト数百人「Σ(゜Д゜;Σ(゜Д゜;Σ(゜Д゜;それだけかっっ!!?」






















えーと、chikiは素人なので分かりませんが、もし本当に見つけてしまった場合、そのときは既に死んでしまっているのではないでしょうか!?





それから上司に代わり、警官が爆弾とはどういうものかをかなり大雑把に説明してくれました。「ケーブルらしきもの」「コチコチ音が鳴ったりするもの」「あきらかに不審なもの」を見つけたら報告してくださいと言われましたが、「明らかに不審なもの」ってどういうものですか、センセイ!!



こうしてchikiとバイト仲間達は、大きな某ドームの中をくまなく爆弾探ししました。まさか自分がこんなところで爆弾探しをするとは思いませんでしたが、それは他の人も同様でしょう。というか、そんなことを予想できていた人は神です。中には「俺、彼女に遺言メールしとこ…」という人も。え?chikiはここで死ぬんですか!?



帰りたい。



逃げたい。



というか、ありえない(汗)。








それでも言われたとおりにトイレの中、ゴミ箱の中、売店の中など隅々まで探してみましたが、幸い爆弾の類は一切見付からず。ほっと一息きつく間もなく、いつもどおりの仕事が行われました。というか、見つかったら本当にどうするつもりだったのだろう(汗)。こういう捜査は警察犬とか、なんか近くに爆弾あるとピコピコなるようなハイテク装置が使われるもんだと思っていましたが、まさか人海戦術を使うとは。






ただ、ライブが終わるときに、最後の曲のフィナーレとともに大きな爆発音(演出による花火)があったときは、客は大盛り上がりでしたがバイトは全員でチビりそうになっていました。そういう演出は、あらかじめ言っておいてよ…。










という訳で、chikiはこの出来事をきっかけにこのバイトをやめ、肉体労働も極力避けようと決意したのでした。私たちは、搾取されているー!!











追伸。具体的な場所、団体名は控えさせていただきます。