『日本を変える「知」』(光文社+シノドスリーディングス)発売です

先月発売した『革命待望』(ポプラ社)に引き続き、シノドスから新作のお知らせです。


日本を変える「知」 (SYNODOS READINGS)

日本を変える「知」 (SYNODOS READINGS)


本書は、経済、政治、教育、社会、社会哲学。異なる5つの領域の俊英を集め、「日本を変える」ための議論を一冊にまとめたもの。参加者は、飯田泰之さん、吉田徹さん、本田由紀さん、鈴木謙介さん、橋本努さん。シノドスセミナーを基に「αシノドス」に掲載された文章を、さらに加筆・集成を行い、加えて「クロスインタビュー」企画を掲載した、豪華な一冊に仕上がりました。手にとっていただければお分かりいただけると思いますが、新書サイズとは思えない、カバーのずっしりとした温かみは一見の価値アリです。


クロスインタビューは、それぞれの著者に対して、自分以外の4名の参加者から、ビビットな質問を受けてもらうというもの。質問を考えることも、それに回答することも、皆様かなり知恵を絞り、刺激を受けていたようです。かなり読み応えがあるかと思います。飯田さんのブログで一部公開されてますので、見てみてくださいまし。この企画フレームは面白いので、今後もシノドス本の名物になるかも。


本書の目論みの一つは、「新しい論点セットを作り出すこと」。もちろん「論点セット」は、固着した党派性を生みがちなため、常に批判的視座を向けられる必要があるのですが、それと同時に「豊かな論点セット」をプラグマティックに作ること作業もまた、丁寧に行われる必要があります。政治的には「寛容さ」を実現したがっている人が、他分野に疎いがゆえに、経済分野では結果として弱者の首を絞める選択肢を掲げていたり、逆に経済に強い人が、教育問題を語ると、とたんに実態を無視した設計案を出してしまったり……。そういった現状に嘆くのであれば、専門知を深めつつ、隣接領域をつなげるという、ベッタベタな試みが行われなければいけないな、と。要するに、「まずは会って話そうぜ」ということですね。


というわけで、ぜひぜひ手にとってください。自信作ですんで。


吉田徹さんも告知してくださってます。

新刊が出ます@The Politics of Europe. On the Weblog.


芹沢さんも

http://synodos.livedoor.biz/archives/715122.html


以下、執筆者の著書です。あわせて読むといいと思う。


1章担当:飯田泰之

考える技術としての統計学 生活・ビジネス・投資に生かす (NHKブックス)

考える技術としての統計学 生活・ビジネス・投資に生かす (NHKブックス)

ダメな議論―論理思考で見抜く (ちくま新書)

ダメな議論―論理思考で見抜く (ちくま新書)


2章担当:吉田徹

ミッテラン社会党の転換―社会主義から欧州統合へ (サピエンティア)

ミッテラン社会党の転換―社会主義から欧州統合へ (サピエンティア)


3章担当:本田由紀

軋む社会 教育・仕事・若者の現在

軋む社会 教育・仕事・若者の現在

「家庭教育」の隘路―子育てに強迫される母親たち

「家庭教育」の隘路―子育てに強迫される母親たち


4章担当:鈴木謙介

“反転”するグローバリゼーション

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5章担当:橋本努

帝国の条件 自由を育む秩序の原理

帝国の条件 自由を育む秩序の原理

経済倫理=あなたは、なに主義? (講談社選書メチエ)

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編者:芹沢一也

暴走するセキュリティ (新書y)

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ホラーハウス社会 (講談社+α新書)

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