住基ネットについて再考するために

「住基ネット情報流出 北海道斜里町職員PCから」
よりによって住基ネット。というわけで、関連のあるサイトを以下に。


「週刊ダイヤモンド/続・憂国呆談 全員がストリップで大丈夫?」
「櫻井よしこweb: 住基ネット・個人情報保護 アーカイブ」
「MIYADAI.COM住基ネットから見えてくるディストピア」
住基ネットつながりで、浅田彰さん、田中康夫さん、櫻井よしこさん、宮台真司さんの発言をご紹介。当時の議論で想定されていたのは、基本的には監視社会≒環境管理型権力の是非というものだったと思いますが、今回はそれ以前の話かもしれません。ただそんな中、「利便性と安全性」を強調する相手の土俵にあわせて宮台真司さんが行っていた批判が今回は的確かも。ということで一部紹介。

私は、読取り機やカードが安全でも、ヒューマン・ファクターが危険だと論じた。ある住民について、番号や個別付加情報を個別担当役人らが漏洩すれば、データ結合によって統治権力がその住民の総合データを構築できるからだ。(…)大山教授はこうしたヒューマン・ファクターは研修で対処せよという。今も国や自治体で絶えず公務員の職務倫理の研修が行われて、この体たらく。研修で対処できれば世話はない。大山教授の言に反し《うまく運用》するのを期待する性善説は無理な話だ。大山教授は、住基ネットなしの電子政府はありえない以上、住基ネットを《うまく運用》するしかないと言う。デマゴーグがよくやる手。アレかコレかの二者択一に単純化した上、アレが無理な以上、コレしかないと言う。百歩譲って電子政府の必要性を認めよう。住民データの電子化を伴わない電子政府はなかろう。だとしても、現行型の住基ネットなくして電子政府が成り立たないことを意味しない。分権化時代に相応しい分散アーキテクチャを用いたネットもありうるから。


なお、最近「ネット社会の未来像―神保・宮台マル激トーク・オン・デマンド3 」が発売しましたが、こちらもヒントになりそうです。東浩紀さん、西垣通さん、水越伸さん、池田信夫さんがゲストで参加しています。文体は平易な語り口なのでとても分かりやすいです。