一昨日の読書会エントリーについて

2点補足を。昨日アップした読書会の冒頭で、「一方、例えばこの本における「ひきこもり」の扱われ方がどうしても軽い気がする――いや、軽いだけでなくかなり誤った形で「ひきこもり」概念を流布することを助けてしまう記述もところどころにあったりする点がどうしてもひっかかる」と書いたわりに、あまりひきこもりの扱われ方についての批判がないじゃないか、と思われた人もいるかと思います。


これには理由が二つあって、ひとつは、実はこのチャットが一通り終わった後、再度skypeskypeでは5人まで同時に話せる)で三人でさらに数時間話しあい、ひきこもりの書かれ方についてはそちらで主に話したこと。もうひとつは、その時話し合ったことも含め、「ひきこもり」表記部分の検討は既に以下の上山さんのエントリーで形になっているので、ログでは省略したことが理由です。上山さんのエントリーからは、多くのものを得ることができるはず。ぜひ一読ください。



「『「ニート」って言うな!』について (1)」
「『「ニート」って言うな!』について (2)」
「『「ニート」って言うな!』について (3)」
「『「ニート」って言うな!』について (4)」
「『「ニート」って言うな!』について (5)」


もうひとつの補足。友人から電話で、「3人が対立したって書いていたけど、あまり対立点が分からなかった」といわれました。リアルタイムでは、結構いい感じに緊張関係があったんですよ。私の理解では、以下のような相違点があったのではないかと思っています。

上山…本田案は極力進めてほしいが、そこでは見落とされているものをフォローアップする必要があるのでは。「ひきこもり」の誤解部分を指摘しつつ、本田案に不足点を見出す。
井出…「ひきこもり」への誤解に象徴されるように、全体として教育への過信があるのでは。本田案に疑問を呈す。
chiki…本田さんが言うまでもなく、社会はその方向に「最悪の形で」向かってしまうのではないか。本田案からシニカルな帰結を懸念。


私はたぶんこの要約以上のことは言っていません。しかも、これが杞憂で済んだらそれで構わないと思っています。それより、「ひきこもり」問題に専門的に触れているお二人からいろいろな言葉を引き出せたことが収穫です。