今日のタネ

「論点ひきこもり 田中俊英さんインタビュー」
id:ueyamakzkさんのblogと併せて読みましょう。


「上野千鶴子講演:「ジェンダー・セクシュアリティ研究に何ができるか」全文公開」
上野千鶴子さんの講演の模様。幅広く語っています。本文とは関係ないけど、引用を禁止してもキャッシュされると思う。


「友達の母親にコクられた まとめ」
週に一度はまとめサイトを読んでまったりとどうぞ。


「web宝くじシミュレーター for 年末ジャンボ宝くじ」
やっぱり、全然あたらないよー。


「ドラえもん最終話 『のび太くん、宿題は終わったかい!?』」
とても上手です。「ドラえもんFLASH - 大きな秘密…」もどうぞ。


「男女共同参画基本計画改定に当たっての要望書」
また「3,500もの実例」とか言ってるし。これについては「ジェンフリバッシングのために「約3500の実例」とか言っちゃうのは恥ずかしいからやめましょう。」にて説明したので省略。それと、「調査・分析した結果…」とか、マッチポンプなのに「調査した結果なんだぜ」ってそぶりもやめません?


「なんともいえないタイミングで自民党が『「犯罪から子どもを守る」ための緊急提言』なるものを発表」
「つーか、なんだ、ジェンダーフリーバッシングと一部オタクジャンル廃絶運動はリンクしてんだなぁ、やっぱり」に関連して。浅田彰さんが次のように述べていますのでご紹介。

浅田彰:以前もこの対談で言ったけど、僕は子供ってのがキーになると思うな。一方で、子供は天使のような存在だから、それに性的虐待を加えるような人間には人権もくそもない、そういう犯罪者は、刑務所を出た後も住所をトレースするとか(日本も最近そうなりつつある)、国によってはその住所をインターネット上に公開するとか、極端な話、発信機つきの腕輪や足輪をさせて子供の集まる場所に近づけないようにするとかね。しかし他方で、子供は野獣で、とつぜんキレてナイフを振り回したりするから、これまた金属探知機やなんかでコントロールすべきたってことにもなる。つまり、天使であり野獣でもある子供をキーにして、今までの人間的主体を前提にした法秩序と違う方向へ、ドゥルーズの言葉で言えば「コントロール(監視/管理)社会」の方向に行く気がするね。マイケル・ジャクソン裁判も、その流れの上にあるんじゃないかな。(浅田彰田中康夫『ニッポン解散』より)


さて、現代を読み解くキーワードとして必ずあげられる言葉に「情報」があるけど、今回のように「少年」に介入する糸口としては特に「犯罪情報」と並んで「性情報」というキーワードが大きな意味を持つ。ミーガン法とかが良い例ですが、社会不安や成員の攻撃性をどのような発露に向けるかは、その社会設計のあり方に大きく関わってきます。

東浩紀:「不安」の感情がインフラのレベルなのか価値観のレベルなのか、というのは本質的な問題だと思います。現実的に、インフラに対するリスク管理の意識が、いつのまにか政治的イデオロギーにすりかえられるということはよくおきている――今回のアメリカ大統領選がまさにそうでした――わけで、「不安」「セキュリティ」「リスク」といった現代社会のキーワードは、その二層を自由に往還する存在だと言えないこともない。
とはいえ、僕はとりあえずはこの二つは分けたほうが話が簡単になると思うんです。身体論に戻るけど、性の問題でも、セクシャリティのレベルと生殖=再生産(リプロダクション)のレベルでは違う権力が働くはずですね。たとえば同性愛の排除には二つの側面がある。一つは、国民国家的な臣民を作るためにセクシャリティを排除し、ホモソシアルな主体を作らなければならないという側面。これは規律訓練の領域ですね。もう一つは、健康な国家の維持と人口の増加のために異性愛を奨励し、同性愛を排除するという側面。こっちは生権力の領域です。この二つはからみあいながらもやっぱり違う水準で、それぞれ別に動いている。たとえば、いま日本では、女性の社会進出は応援するけれども、他方で出生率の低下に悩んでいる。こうなると、規律訓練のレベルでは女性の自己決定権を最大限認めるけれど、生権力のレベルでは女性にはなるべく家庭に入ってもらいたい、というような判断が行われることになる。(東浩紀波状言論S改』)


ちなみにジェンダーフリージェンダーレスとあえて誤読したり、「過激な性教育」とあえてワンセットにして批判を展開すれば、「少年」と「性情報」を軸にして、教育改革(教育基本法改正)とメディア規制の両方に着手できるので格好の標的になるですね。ジェンダーフリーに興味ない人でも、(今の)ジェンフリバッシングが何に帰結するのかを知っておくといいと思うんだな。