「ゼロ年代の批評」のこれから──宇野常寛さんロングインタビュー

2008年2月7日新宿にて、『PLANETS vol.4』が好評発売中の「第二次惑星開発委員会」を主宰している評論家、宇野常寛さんのロングインタビューを行いました。「惑星開発委員会」の成り立ち、論争を起している「ゼロ年代の想像力」(『SFマガジン』連載中)の背景にあるもの、そしてケータイ小説論、サブカル評論の現在まで、ここでしか読めない宇野常寛さんの発言が盛りだくさんのインタビューとなっております



■プロローグ 歌舞伎町の飲み屋から
荻上:今日は新宿、歌舞伎町の飲み屋からお伝えしてます。ということで、『PLANETS vol.4』発売、おめでとうございます! それから、『SFマガジン』での連載「ゼロ年代の想像力」も好調で、話題になっていますね。


宇野:ありがとうございます。


荻上:今日はそんな宇野さんに色々聞いてみたいと思います。個人的には、後日簡単に発表すると告知されてからさっぱり更新されない宇野さんの「2007年ベスト&ワースト」が気になってますが(笑)


宇野:ああ、あれですか。いや、途中まで書いてはいたんですよ、ちゃんと(笑)。そしたら1位が松浦理英子の『犬身』になっちゃって、それはちょっと面白くないなぁと。普通に考えたらそうなんですけど、今ここで僕が『犬身』を褒めてもあまり意味がないなぁと。でも、ワーストは結構chikiさんとぶつかるかな。ワーストっていうのは「ダメな作品」ではなくて、「ちょっと褒められすぎじゃない?」という作品ですね。それには黒沢清『叫』を推したいなと。あえてあげるなら。

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