世代論の反復を前に

ある小学生の作文」というコピペが話題になっていた。これが本当に「小学生の作文」であるかどうかはさておき、「昭和」と括って語るような言説はたぶん出てくるんだろうなと思う。筒井康隆の作品の中に「昭和一桁」を嗤うような台詞があったけれど、それを嗤っていた世代を嗤うような言説も既に登場しているし、「平成」からみればその差異も微小なものでしかないとされるんだろう。もちろんそれを「平成」が叩くとして、今度はさらにその下が「平成」を罵るし、そのような反復は極めて凡庸に繰り返されていく。


「自分たちの世代は前の世代のツケを被っている/下の世代は自分たちの世代の努力にタダ乗りしている」というリアリティの衝突は終わりがない。もちろん世代間に生じる端的な不公平は検討されるべきだ。その際は「未だ生まれて来ぬ次世代」との合意をどのように築くのかという問題も重要なテーマになるだろう。そのように考える一方で、例えば多くの「同世代」の論客による「上の世代」叩き、その手法にほとんど「共感」は出来ない自分がいる。そのなかに含まれる検証を欠いた突き上げの手法が、いずれ「下の世代」に向けて検証を欠いた抑圧へと取って変わることを恐れるからだ。


かつて「上の世代」を批判することでポジションを獲得してきた知識人が、年をとり「下の世代」を叩くようになった例など、山ほどある。それらの言説は、これまでどのような光景を生んできたんだろうか。「世代論」論について考える、骨太の著作などをそろそろ読んでみたいな。

晋遊舎の雑誌『スレッド』が3号で休刊

2ちゃん向け雑誌?スレッド わずか3号で休刊」スレによると、晋遊舎の雑誌『スレッド』が3号で休刊するらしい。書き手の方のブログでも書かれていたので、本当なんだろう。「長くは続かなそう」とは書いたけれど、あまりにも早すぎてビビッタ。


スレッド 3 (晋遊舎ムック)

スレッド 3 (晋遊舎ムック)