飯田泰之ほか『経済成長って何で必要なんだろう?』(光文社×シノドスリーディングス)発売

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)

経済成長って何で必要なんだろう? (SYNODOS READINGS)


シノドスから新しい一冊が発売です。今回のテーマは「経済成長」。皆様おなじみの飯田泰之さんが、岡田靖さん、赤木智弘さん、湯浅誠さんとの対話を通じて、「経済学思考」の意義と課題を明確にしていくための一冊です。


飯田さんのスタンスを理解するためには、下記エントリがリーダブルかなと。


http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20090201#p1(まずは三択だって言うことに気づかねばならない)
http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20090202#p1(経済成長ってなんなのよ?)


貧困論議や格差論議の際に、なんだか敵視されがちな「経済学」や「経済成長」なわけですが、自由や平等をめぐる議論の際には、「いかにしてパイを分配するべきなのか」という発想と同時に、「いかにしてパイを増やしていくのか(増やしていけるのか)」あるいは「どういうルートを選べば効率的に目的を達成できるのか」といった視点は不可欠。人文学徒の経済学嫌悪によって(あるいは偏った理解によって?)、現状批判のたどりつく先が「そこかよ!」という選択肢であるようなこともしばしばなわけですが(若輩者の自分でさえ反省ひとしきり)、経済学との対話は、より豊かな議論へと開く契機になるのではないかな、と思っています。逆に「経済学はここが問題だと思うのよね」みたいな点があれば、ざっくりとしたイメージではなく、やはり直接対話することによってオーダーを調整していけばいいでしょうし。


ちょっと昔に、「デフレに適応しようぜ派」がリフレ派によってフルボッコされてたり、寛容さを求めるリベラル系社会学者が経済学ブロガーにフルボッコされてたり、「リフレは怖い」と言った戯作者がこれまたフルボッコされたりしたことがあって、あまりの光景に「正いのかもしれないけれど、あの人たちには近づきたくはないよぅ」と思ってしまったような人、飯田さんならピースフルだよ! ……というのは半ば冗談ですが、テクニカルすぎず、神学論争的でもない対話の模様を、「入門」としてお楽しみいただければと思います。


日本を変える「知」 (SYNODOS READINGS)

日本を変える「知」 (SYNODOS READINGS)


こちらもあわせて読んでほすぃ。


飯田さん、芹沢さんのブログでも告知文が載ってるよ。
http://d.hatena.ne.jp/Yasuyuki-Iida/20090625
http://synodos.livedoor.biz/archives/816455.html