じゃあ具体的に、性教育は何歳から何を教えればいいのかしら
という合意形成についての疑問について考察するために、一つの参考資料になりそうかなと思うのが、「第3回男女の生活と意識に関する調査」で行われている、「性に関する以下の事柄について、何歳ぐらいのときに知るべきだと思うか」という調査。
解釈を箇条書き風に抜粋。
- 「二次性徴(発毛・声変わり・乳房のふくらみ)、月経、射精などの身体のしくみ」については、小学校高学年にあたる「10〜12歳」(63・1%)くらいの時に知るべきだという者が6割以上を占めている。
- 「男女の心と身体の違い」と「受精、妊娠、出産、誕生のしくみ」も「10〜12歳」(男女の違い47・0%、しくみ46・4%)に知るべきだという者が4割台後半で最も多い。
- 次いで「男女の心と身体の違い」は小学校低学年にあたる「6〜9歳」(27・2%)に、「受精、妊娠、出産、誕生のしくみ」は中学生にあたる「13〜15歳」(37・7%)に、それぞれ知るべきだという者が続いている。
- ほかに「13〜15歳」に知るべきであるという者が多いのは、「避妊法」(52・6%)、「エイズとその予防」(51・8%)、「エイズ以外の性感染症とその予防」(51・8%)、「コンドームの使い方」(51・2%)、「人工妊娠中絶」(48・3%)などで、5割前後の者が中学生の時期に知るべきであると考えている。
- 「セックス(性交渉)」は4割半ばの者が「13〜15歳」(44・4%)に知るべきとしているが、より早い「10〜12歳」(26・4%)くらいに知るべきという者も4人に1人いる。
- また、「避妊法」、「エイズとその予防」、「エイズ以外の性感染症とその予防」も、より早い「10〜12歳」(避妊法22・6%、エイズ23・5%、エイズ以外20・3%)くらいの時に知るべきだという者が2割いる。
- 「人と人とのコミュニケーション(関わり方)」については、未就学期の「3〜5歳」(11・4%)に知るべきだという人が1割強おり、小学校低学年にあたる「6〜9歳」(25・6%)という者も4人に1人で、他の項目に比べ早い時期に知るべきだと考える者が多くなっている。
- 「結婚」と「離婚」はいずれも中学生にあたる「13〜15歳」が最も多く2割台後半、次いで「10〜12歳」と「16〜18歳」の層がそれぞれほぼ同率の2割前後で続いているが、知るべきと思う年齢が分散している。「性に関する倫理や道徳」は「13〜15歳」(39・8%)が約4割、次いで「10〜12歳」(30・3%)が3割と多い。
- 「コンドームの使い方」を中学3年生に教えることは不適切であると烙印を押されかねないが、15歳までに知るべきと回答した国民の割合は、第1回目(02年)62・8%、第2回目(04年)61・7%、第3回目(06年)68・7%というように年々増加している。
- 学校性教育に保守的、消極的な傾向が強くなっている一方、国民のニーズは高まるというねじれ現象が起こっている。
「じゃあ間を取って」というわけにはいかないと思うけど、ひとつの議論の参考に*1。もちろん養護学校のように、暗黙知が通じにくいケースでは、理解するのにより平易な方法で教えなければいけないと思うわけだけど、その辺りは素人が思い込みやイメージだけで口を挟める問題ではなくて、現場の事情や実践知の蓄積に耳を傾けなくてはならない……はずなんだけどね。。。
(http://d.hatena.ne.jp/seijotcp/20090317/p1の補足的なエントリね)
※これでも買うかなぁ
http://www.hokenkai.or.jp/2/2-5/2-51/2-51-3.html
*1:これも「ゆがんだ思想に基づいた偏向調査だ」とか言いそうだが。