本日のメインディッシュ

「MouRa:安倍麻美の恋愛小説『バカみたい。』更新中!」
タレントの安倍麻美さんが、web小説の連載を始めたそうです。




タイトルは『バカみたい。』だそうです。





念のため、これは小説のタイトルであって、読んだ人がこういう感想を抱くだろう、という推量でつけられたものではありません













多分。







さて、安部麻美さんといえば、元モーニング娘。の安部なつみさんの妹という触れ込みでデビュー。デビューしてまもなく、若気のいたりの写真()が出てきてしまい、公式に過去を謝罪したりと、いろんな意味で話題になりました



そんな麻美さんを、オタク界隈で知らぬものはいない、新鋭イラストレーターの西島大介さんが「commonsphereのインタビュー」で次のように触れているのは記憶に新しいです。



「『なっち』(安部なつみ)のパクリ騒動みたいな話がありましたけど、僕なんかはなっちはパクリじゃないと思うし、むしろ妹の『あっち』(安部麻美)のほうが、なっちのパクリだと思う(笑)。いや、なっちが相田みつをの詩をパクったなんて、むしろ「なっちらしさ」に溢れててとてもイイ話と思うんだけど、それに比べたら、妹の安部麻美がひょいと出てくることのほうが僕的には仁義に反していると思うんですよ(笑)。でも、あさみんは法を犯しているわけじゃないですよね。つまり、心情的にアリという話と、法的にアリという話は分かれてしまう。僕はそれをひっくり返そうとは思わないけれど、不思議なことだと思う。」



「あっち」はなっちのパクリ、リスペクトなき「模造品」だとバッサリ。そう言われると、小説のタイトルの最後に「。」がついているのも、なんだかそのように見えてくる気がしないでもないです



そういえば、最近「ビックリマンチョコ20周年」がちょっとした話題になって、chikiも人生で初めて「大人買い」をすることとなりましたが、子供の頃、ロッチというブランド名で「ヒックリマンチョコ」とか「ドッキリマンシール」が発売されていたのを思い出しました。ちなみに「あっち」(麻美さん)の方は法的にはアリですが、ロッチの方は書類送検されており心情的には笑えても、法的にはアウトでした(参照)。



ちなみにロッチのシールはプレミアがついて、マニアの間では本物より高値で売買されているものもあります。





しかし、一生懸命タレント活動を続ける麻美さんは、「姉の七光り」という汚名を着せられないよう、自分の才能を色々試そうと、今度は小説にチャレンジです。この小説、「麻美さんの日記(7月4日)」によると、『DeepLove』にインスパイアされて書きはじめたそうです。






なんでまた小説を書き始めたかというと、なるべく自分の力で、自分らしい何かを作り出したいっていう思いがあったからです。
以前の私は、実は小説は苦手で、ほとんど読んでいませんでした。
苦手と感じていた理由は、難しい、字が小さい、絵がないからつまんない、字ばっかで読む気がしない…、とかの理由です。
けれどその私が小説を好きになったのです。そのきっかけとなった本は、「Deep Love









でぃーぷらぶ。
皆様。でぃーぷらぶですよ。
でぃーぷらぶが、体言止めで、強調、されて、ますよ。









chikiはこの小説と何かと縁があるようで、一週間かけて読み倒したことを皮切りに、こっそり映画を見たり、こっそりドラマを見たり、こっそり特番を見たり。ちなみにyoshiさん自身が監督をした日本版(?)の映画は、人生ワースト3の映画としてchikiの記憶に深くきざまれることになりました




あげくの果てにはyahooが開催した、作者のyoshiさんを招いたチャット大会にもこっそり参加してみたりもしました。ああ、暇人と呼ぶがいいさ。




40人ほどが参加していたこのチャット大会では、一般の方の書き込みはyoshiさんには直接読めないようになっており、スタッフが公正に選んだ質問だけにyoshiさんが答えるというファンサービス精神にあふれたチャット大会でした。



他のファンの方の質問…というより、スタッフが選んだ質問がDo AS Infinityは好きですか?」「書かれたことは事実ですか」「何を感じて欲しいですか?」「次回作の予定は?」と、いかにもyoshiさんが答えたがっているような予定調和な質問であった中、試しにchikiも「多くの方に読まれた作品で、賛否両論あったように思いますが、yoshiさんが気になった批判などは今までありましたか?」などと質問してみました。





もちろん、華麗にスルーされました





チャット大会でのyoshiさんはといえば、「目指したのは『一杯のかけそば』」「既に台湾など、アジアで翻訳が出ている」「ハリウッドで映画化の話もきている」「若い人にを伝えたい」「を信じて欲しい」「で救えないものはない」と、相変わらず「愛」を連呼しています。ファンも「へー、そうなんだー」「楽しみだな〜」とバリ満足している様子でした。チャット大会から一年近くたちましたが、ハリウッド映画化の話はどうなったのかが気になります。援助交際エイズ感染後、数日で死ぬという設定で全米を震撼させる日はまだでしょうか。




チャットの模様はキャプも撮っておいたのですが、いつかアップしようと思っていたにもかかわらず、以前、PCをリカバリーした時に無くしてしまいました。作者、yoshi様の愛をお伝えできず、残念です。まことに残念です。






話がそれましたが、そんな『Deep Love』にインスパイアされた『バカみたい。』という小説が連載される前に、「公式日記(7/4)」にて、ご本人による、内容紹介がありました。



小説の内容をちょっと紹介すると…。
高校3年生の愛美と龍二が主人公で、二人は、恋人同士でもあり、バンド仲間でもある。
いつしか愛美は、歌手になりたいという夢をもち、東京への憧れを抱く。けれど、それでは二人は遠距離になってしまう。そこで愛美は、選択をする。自分にとって、大切なものを…。
その愛美の選択は合っていたのか…、間違っていたのか…。
そして愛美の選んだ道には、なにが待っていて、なにが起こるのか…。
ジャジャン! って感じです。


ジャンジャン。




なんだか、とても懐かしく、どことなく香ばしい匂いがするあらすじです。



それと、私が書いた小説は、あえて、正しくない今どきの日本語をたくさん使っています。
それは、今の十代の子達を、よりリアルに表現したかったからと、もっとたくさんの若い人にも、読んでもらいたい、楽しんでもらいという気持ちが、強くあったからです。

『バカみたい。』では、リアルを追求するため、あえて正しくない今どきの日本語を使っているようです。そういえば、yoshiさんもやたら「リアル」「リアル」と連呼していましたが、yoshiさんに影響をうけた麻美さんもやはり「リアル」にはこだわるようです。「リアル」といえば、「年が6つ離れている姉がいる」という設定が妙にリアルに見えるのですが、公式プロフィールによればなっちとあっちは4歳しか離れていないはずなので、どちらかがサバを読んでいない限りフィクションだと思われます。



そういえばyoshiさんは、自分の名前にちなんでか主人公に「義之」と名付けていました。麻美さんも自分の名前にちなんで「愛美」と名付けております。連載小説と一緒に麻美さんの写真がならんでおり、愛美ちゃんが彼氏と手をつなぐと、麻美さんが男性と手をつないでいる写真が掲載されているので、意図的なものかと思われます。「作品の内容についてのインタビュー」で、「自分も喘息(ぜんそく)持ちなので、愛美も喘息持ちにしちゃった」と言ってるので、間違いないでしょう。もしかしたら、ある意味で私小説の精神を受け継いでいるともいえるかもしれません。悪い意味で



そんな主人公の愛美ちゃんは、「ゆずとかラルクとか……、ジュディマリ」が好きな「初対面恐怖症」で発作を起こす喘息もちの女の子。歌手を目指し、東京に憧れをもっています。このように、90年代の香りと昭和の香りのブレンド具合もyoshiさんから受け継いでいるようです。そういえば、龍二」という名前のキャラクターは『Deep Love』にも出てきましたが、このあたりもやはりyoshiさんに強く影響を受けている模様です




「小説」は、次のように始まります。



高校3年の春、愛美(あいみ)は転校生だった。
昨日まで住んでいた町と違って、ここは同じ北海道なのに海が近く、風に潮の香りが混ざっている。
共稼ぎの家庭に育った愛美は、ひどい喘息(ぜんそく)もちで、学校を長く休むことがよくあったため、一人遊びが得意だった。だから、初対面の人と話すことは恐怖に近く、転校初日、校門の端に立ちすくむその姿は、まるで見知らぬところへ一人放り出された迷子の少女だった
8時30分、始まりの鐘が鳴る。

強調部分は全てchikiがつけました。ここは読み応えがあると判断したと捉えてください。



昨日までは別の町に住んでいたということは、引っ越してきたのは今日ということでしょうか。8時30分に学校に既にいるということは、すごく朝早くに引越しをしてきた愛美ちゃん。まさか夜逃げでしょうか。





なかなか学校に入れない愛美ちゃん。すると、この物語のヒーローが颯爽と登場します。



「ヤッベ」
一人の男子が猛ダッシュで走ってくる。
愛美の横を通り過ぎた男子は、20mほど先で急に立ち止まると振り返って言った。
「おまえ、転校生だろ。名前は?」
「あ、愛美」
「愛美ちゃんか。オレ、龍二
「うん……」
ヤッベ遅刻だ。行くぞ」
「うん」
振り返った龍二の笑顔が、愛美の恐怖感を忘れさせてくれた。
校内への第一歩が不思議とスムーズだった。



ヤッベ。
ヤッベ。
ここまで読んで、chikiにはDeep Love』を読んだときの衝撃が蘇ってきました。この会話のテンポ、この作者のポジショニング、この空白感。「DeepLove文体」というべきものが、見事に受け継がれています。ヤッベ。こういう形で、約一年後にめぐり合わせるとは思いませんでした。これが愛でしょうか。 






まだ未完の「作品」なので、内容への評価などは一応保留しておきます。続きが読みたくなった方は「こちら」から読めます。




さて、このように作家デビューをした安部麻美さん。作家になるということは、自分の作品に対する批評に対しても責任と持つということにもなると思うのですが、「作品の内容についてのインタビュー」では「まだ最後まで書き上げていないので、物語の結末がどうなるか自分でも分からないんです。でも絶対泣けますね! これは(笑)」「自分で言うのもなんですが、ものすごくよく仕上がっていて、感動もしますので、ぜひ読んでみてください」と、太鼓判を押しているので、多分バリ感動出来ると思います。作品の今後に期待しながら読みましょう。






余談ですが、斉藤美奈子さんの新刊「誤読日記」にて、『Deep Love』も扱われているとのことで、ますます楽しみです。勉強させていただきます、姉御! という感じです。