ケース2:それは詐欺だ。絶対に詐欺だ。
「大変お待たせいたしました。○○サポートセンター、担当のchikiでございます!」
今日も、サポセンの中の人であるchikiの声が職場に響く。世の迷えるユーザーを救済するべく、今日もその手を受話器に伸ばす。
お客様「あっ。もしもし、 chiki先生ですね? ××に関する質問をしてもよろしいでしょうか」
今回ご紹介する電話は、年を召した女性の方からでした。ちなみに、突然「先生」と呼ばれるのは初めてです。なるほど、人によっては「電話で色々教えてくれる人」っていう感覚なのだなぁ、と思いつつ応対させていただきました。
「××に関するご質問ですね? お電話ありがとうございます♪」
「はい、よろしくおねがいします。実は、先日、私が通っていたパソコン教室がつぶれてしまいましてねぇ…」
「なるほど」(嫌な予感)
「今、教科書の8ページまで進んでいるのですが、読んでいても分からないのですよ…」
「左様でございますか」(とっても嫌な予感)
「ですから、先生。続きを教えてください」
「とにかく教えてコール」キタ━━━━━(゜∀゜)━━━━━━ッ!!
そう。電話をくださるお客様の中には「とにかく分からないからすべて教えてくれ」という方がまれにいらっしゃいます。一人一人丁寧に教えたいと思っていても、作業を全てご案内してしまうとそれだけで一日がつぶれてしまい、他のお客様からの電話に出られません。だから、上司からは出来る限り長時間の電話は避けるべし、と言われています。というか、8ページしか進まずにつぶれる教室というのは心底どうかと思います。
「かしこまりました。お客様、お電話で手順を全てお伝えするとなりますと、お時間の方がかかってしまいますので、もしよろしければ、より分かりやすく書かれたマニュアルをお送りいたしますがいかがでしょうか」
「そんな殺生なこと言わんでください。字を読んでも、よう分からんから電話しておるのです。先生に見放されたら、私はいったいどうすればいいのでしょうか。身の回りに詳しい人もおらんけ…」
「かっ、かしこまりました。大変申し訳ありません。それではご案内させていただきます。ところで、お手元の<教科書>は、弊社のマニュアルでしょうか? それとも、市販のものでしょうか」
「いえ。パソコン教室からいただいた、手書きのもののコピーです。」
( ; ゜Д゜)<ナンダッテー!!!?
chiki「て…手書き…ですか。その<8ページ>にはなんと書かれていますか?」(パソコン教室の教科書が手書き! う、う、うさんくさぁ…。)
「はい。<ダブルクリックのコツ>と書かれています」
( ; ゜Д゜)<ナンダッテー!!!?
「ダブルクリックを教わっている段階で、いったいいつになったら弊社の計算ソフト操作の段階になるのだぁ! しかも、ダブルクリックにコツなんているかぁ!!」と叫びたい衝動を抑えつつ、弊社のソフト操作のご案内の範疇を超えているようなので申し訳ないがソフト操作の段階になったら改めてご連絡いただくようにお願いしました。というか、そのパソコン教室、絶対に詐欺だ。